第二章 苦悩

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第二章 苦悩

スコア3400。 一分間射撃の記録を見て、日々の練習の成果を実感する。日々の練習とは言っても、フェデリカの任務を終えてからまだ一週間、QUIETに入隊してからもう直ぐ二週間。練習時間はまだ短いが、入隊当時と比べると大きな成長が見られた。 しかし、ブラッドは満足出来なかった。射撃場の壁に貼られた、前回の早打ち大会の結果に書かれていたのは優勝者のレーシアという文字。スコアは5100。レーシアと一度戦ったことのあるブラッドでさえ、未だにそのスコアを信じることが出来なかった。ブラッドがレーシアに負けたあの対戦でも、今のブラッドであればいい試合になるほどだった。スコアが正しければ、彼女は手加減をしていたことになる。ブラッドの3400点はやっとアルフレッド号に乗る戦士として、認められるくらいだった。逆にレーシアに次いでカリーナのスコアも、それより下の三位を大きく突き放し、二人だけで優勝争いをしていた。優勝を目指すブラッドは二人を超えなければならない。しかし、今のスコアで優勝など出来るわけがない。これからの練習次第で上達し、スコアは伸びるだろうが、レーシアのスコアに届く自信がなかった。
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