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服は……これ、私のじゃない!!
……あれ?
……やっちゃった?
やらかした、私?!
私の挙動を少し離れた所で腕組みして見ている男の人をまじまじと見る。
髪をほぼセンター分けにして後ろに流して洗練された感じ。
ゆったりとしたUネックのロンTにオーバーサイズのカーディガンを羽織っている。
……そのカーディガン良いな。欲しい……じゃない!
黒縁の大きめな眼鏡をかけているのにはっきりとよく見える。切れ長なのに黒目がちな瞳。
顎のライン、喉仏、鎖骨がくっきりとしていて余分な脂肪がない事がわかる。
形の良い唇。
……誰だ、この整った顔の男は。テレビ俳優によく似てるじゃないかっ!!
ぱっと見若いけど、この落ち着き……只者じゃない。
「……あの……もしかして……?」
私達、やりました?とは聞けず曖昧な表情で見つめる。
だけど、綺麗な形した唇から発せられた言葉は求めていたものじゃなくて。
「そんな事より時間、いいの?8時だけど」
「え?……あれ?今日何曜日」
「月曜だね」
月曜、月曜…………月曜?
あれ?月曜ってあれだよね?会社あるよね?
会社って何時からだっ…………!?!?
「っ!!きゃーーーー!!!」
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