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慌ててベッドの上で右往左往する私を、クスクスと笑い、何故か綺麗に畳まれた私の服をそっと差し出す男。
「ほら、そんな美味しそうな足出してると……
食べちゃうよ?」
「……足?あ、あしー!!!」
きゃーっと金切り声を上げて着ているTシャツを目一杯伸ばしてしゃがんだ。
「そんなに伸ばしたら今度は上が……
……。
……誘ってるの?」
そう言いながらゆっくり近づいてくる男は、わざとらしく髪をかき上げカーディガンを脱ぐ素振りを見せた。
「ちょ!ちょちょちょ、ちょっと待ってくだっ……!!」
25歳、澤田香澄、絶対絶命のピーンチ!!
「あ、そうだ。月曜日って言ったの嘘だから」
黒縁の大きな眼鏡を片手でスッと取り払い、ベッド脇に置いた。
眼鏡を触る長い指先がゆっくりと私に向かってくる……じゃない!なんて?今、なんて?!
「……え、……はぁっ?!」
「今日は日曜日。まだ時間平気でしょ?」
そのまま顔がゆっくり近づいて……。
Tシャツの中に全身をすっぽり入れる形でしゃがんでた私は驚くほど容易くベッドに寝転んだ。
「ちょ、なんで?なんでそんな嘘……」
「もう黙って」
………
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