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旅立ちのプロローグ
それは桜舞う季節、始まりを運ぶ春に起きた小さな奇跡。
運命が巡り合わせた、ふたりの軌跡。
桃色の桜が雪のように降る石段を上がり、さらに坂道を進むとたどり着く。
夜空にスピカの星が輝き、春の温もりに満ちた世界。
いつか私が消える日が来ても、君が見上げるスピカの星になってきっと会いに行くよ。
ならば俺は何年かかっても、幾千と瞬く星の中に君という名のスピカを探そう。
だから、また会えるその日までしばしの別れを。
さよなら。
大事な私の、俺の──半身。
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