失敗しない○フレの作り方

1/1
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ

失敗しない○フレの作り方

仕事の休憩中、新卒の男子のスマホ画面が見えてしまった。 《失敗しないセフレの作り方》 んまぁっ! この子、純情そうな顔してセフレですってえ! 「コホンッ。ちょっと、ケータイの画面見えてるわよ。」 「えっ、ああ今度の休みに作るんです。」 今度の休みにセフレを作るですってえ! なんなのよッ、最近の子は! ハレンチ! 破廉恥極(ハレンチきわ)まりないわ! 「よかったらうちで一緒にどうですか?」 「ええええッ? そんなッ、ダメよ……。」 同じ職場なのにそんなのイケナイわ……。 「作ったことないんですか?」 「そんなの、あるわけないじゃない!」 セフレ作ったことなんてないわよ……。 「そうですか。得意そうなのに。」 「私がそんな女に見えるっていうの?!」 彼氏だってできたことないのに……。 「よかったら僕がおしえますよ。」 「えっ……。いいの?」 これでやっと喪女を卒業できる! いい年して喪女なんて恥ずかしかったのよね。 で、でもダメよ。セフレのお誘いなんて……。 「楽しいですよ。ヨーグルトやバターやはちみつを使うんですけど……」 「そんなッ、ダメよ! 食べ物を粗末にしちゃ!」 初めてでそんなことされちゃうの?! 「おいしくなるんですよ。」 私をおいしく食べるつもりなのね! でもでもだめだめ! そんな関係ダメよ……。 「私、経験ないの……。いい大人なのに、ひいちゃうよね……。」 い、言っちゃった。 「じゃあ僕がおしえますね。」 「ありがとう……。優しいのね。」 遊ばれちゃうのかな。でも喪女卒業したかったんだもん。 「これ先週作ったやつです。」   スマホ画面をこちらに向ける。 なんなのよ、この子! 先週作ったセフレを見せるだなんて! ……えっと、どれどれ。 画面をのぞく。 「なにこの、ふわふわパンケーキ。」 「さっきのレシピ見て先週作ったんです。 パンケーキ。」 《失敗しないの作り方》 完
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!