異変

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メナスに一通りの事を話し、メナスにはこのダンジョンのサブマスターの権限を与える事にした。サブマスターは俺の代わりに魔物を創作出来たりする事が出来る。 融合以外の項目は扱えるって事だな。 「ところで…」 そう言ってメナスの口が止まる。俺は気になりメナスの方を振り向くと、唇に柔らかい感触がした。 「なっ…!」 「ふふふ…ご馳走様です」 ホントはサキュバスじゃないのか?と思ってしまう。一瞬、その笑みに心が奪われそうになった。 「貴方は何というお名前なのですか?」 咄嗟にそう言われて俺は素っ頓狂な声で「フーリエ」と告げた。 するとメナスは再び笑い、俺の腕へとくっついて来た。 「あんまりそういう事ばかりするんじゃない」 「えぇ?そういう事って…どういう事ですか?フーリエ様」 「様って…あんまり男に近づくなって事だ。その…俺も男だし、メナスは魅力的な女性なんだ」 顔を逸らしてメナスに言うが、それが響いたのか布越しでも伝わる柔らかい感触が腕に強く当たる。身体をクネクネしながら俺の手を握って来る。 「…フーリエ様の子が欲しいんです…」 「ブーーッ!なっ!急に何を…!」 「堕天使と魔王の子…きっと有望な子が生まれますよ?」 「そうだとしてもダメだ!」 メナスから距離を取る。メナスは頰を膨らませていたが、俺は無視してダンジョンの作業に入った。 メナスは諦めた様で、別の部屋に行っていた。 …途中、メナスがゴブリンに襲われてゴブリンを抹殺しようとしていたので慌てて止めたのは言うまでもない。
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