ちょうちょの旅―1000文字の結末―

ちょうちょの旅

あるところに、ちょうちょが一匹住んでいました。

ちょうちょは、他のちょうちょに比べて、色が目立たなくて体が小さくて、いつもいつも悩んでいました。

他のちょうちょは、いつもそのちょうちょをバカにします。

ちょうちょは、何だか息苦しくなりました。

いてもたってもいられくなって、とうとうある日、旅立ちました。

遠くへ、遠くへ。

一生懸命羽を動かして、出来る限り遠くまで行こうと思いました。

遠くへ、遠くへ。

でも、羽が小さいので、少ししか飛べません。

ちょうちょは、十メートルくらい離れた公園まで、飛んでいこうと思いました。

十メートルも飛んだら、病気になるかもしれません。

それでもちょうちょは、飛びました。

少しだけ、遠くへ。

人間にとっては近くでも、ちょうちょにとってはとても遠い場所へ。