花と肉

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 だってわかんないじゃん、昨日死んだとか。  まだおにぎりみたいに皆そろって同じ制服着てた頃、あたしは花に囲まれている友人とこんな話をした。 あれは五限をサボった空き教室の窓の下での事──。 『私が死んだら肉飾ってくんね?』 『花じゃなくて?』 『匂いが嫌いや』 『あんたの好きな匂いって何よ』 『焼き鳥か焼き肉のタレ』 『ははっ! 女子力行方不明やん』 『圧倒的に女子は肉好きやぞ。野菜だなんだ言うてんのは幻想か演技が八割』 『歪んでんねぇ』 『お前にはマジな事言うよ。どうでもいい奴で十人がちゃがちゃするより大事な奴一人と静かにしてる方がいい』 『静かか?』 『穏やかって意味。作んなくていいんやもん』
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