花と肉

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 ──そんなわけで、持って来たんやけど。  肉。 「……ふざけてるの?」  目を丸くして驚くあんたのおばさんから怒りが伝わってきた。 そうでしょうよ、こうなるってわかってた。 少々の騒ぎで親戚と思わしき方々も近づいてくる。 「ふざけてません。あたしと、こいつで話してたんです」  嘘じゃない。 冗談でこんなの出来るほどもう子供でもない。 でももっと大人はわかってくれない。 世間体や常識に囚われた規則正しいチャントシタ大人だから。  あーあー、怒号と喚声。 笑ってんのは許される不思議な場。 「……うるっせーなー」  やばい、地が出た。 昨日から一睡もしてないせい、二日前も残業してあんま寝てなかったせい。 今日も有休とるっつって上司にくそほど嫌味言われたせい。  あんたが死んだせいだ、友人。
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