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「……すいません。約束を果たしたかっただけなんです。こいつ以上の友達は他にいません」
ごめん、これが精いっぱいだ。
あたしのようにご両親も、ご親戚も似たような気持ちでいっぱいなんだ。
我儘は通せない。
行き場のない怒りをぶつけられるのもしでかしたあたしの役目でいい。
紙袋に木箱、木箱の中の、約束のブツ。
「気持ちだけ置いていきます。失礼します」
逃げるように会場を後にして、歩いて歩いてタクシー捕まえて走らせた。
ここを離れたかった。
顔、見れなかった。
あんたは最期、どんな顔してたん。
最後にきた携帯電話の文字は、寿司食いに行こうぜ、だけ。
行けんくてごめんなぁ、行きたかったなぁ。
あたしもあんたと行きたい飯屋あったんよ。
中学ん頃よく行ってた古びた商店みたいな感じでさ、時代の匂い全部閉じ込めたみたいな色してるんよ。
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