花と肉

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 焼けた肉を皿にどーん、冷蔵庫から缶ビールを出して足で扉をばーん。 ぶしゅっ、と息するビールを三口くらい喉に通して、多分もったいない食べ方、ステーキっぽいのにフォークでぶっ刺して、大きく一口齧り付く。 瞬間、油だか身だかわかんないけど甘いんだけどしょっぱいようなしょっぱいんだけど甘いような味と死ぬほどいい匂いで頭いっぱいになって、ぶっ倒れそうになった。 っていうか後ろに、ぶっ倒れた。 後頭部痛ぁ。 「……ばーか旨」  友人、この肉はあんたと一緒に焼かれるにはいい肉過ぎた。 だからあたしが全部食べるわ。 一口もやんねぇわ。 多分明日も生きてくから。  また夢で食おうぜ、親友。
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