13人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
そして、朝。
「行ってきます」
と家族に投げかけ家を出た。
ああ、ちょっと家出るの遅くなっちゃったな……電車一本見送るか。
とそこで、家族からの『行ってらっしゃい』がなかったことに気づく。
あれいつもは言ってくれるのに……。
まあいいか、気付かなかっただけだろう。
それより周囲の視線の方が気になる。
駅に向かうまでの道のり。
歩いている時も信号で止まっている時も、誰も彼もが私を見る。
あれ……私なんかおかしいのかな?
パジャマのまま来ちゃったとか?
そう思い自分の格好を確認するも、特に変なところはない。
至って普通の通勤スタイルだ。
不思議に感じつつも駅に到着する。
改札を通り、ホームへ下る道すがら―――
「好きです。付き合ってください」
初めて見ず知らずの人から駅で告白された。
最初のコメントを投稿しよう!