惚れ飴

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そしてやっとの思いで会社に着いた。 ……が、ただでさえギリギリの時間だったのにあんな珍現象のせいでギリギリを超え、敢えなく遅刻。 どうしよう……課長遅刻には一層厳しいんだよね……。 遅れそうって電話した時もすごい剣幕だったし……。 汗だくのままオフィスを駆け抜け課長のデスクの前で足を止める。 「遅刻してしまいすみません!」 90度に腰を折り曲げて勢いよく謝る。 どうか怒鳴られはしませんせように……。 しかしいつまで経っても応答がなく、恐る恐る顔を上げる。 すると……、 「あ、ああ……浅田くんか……こんな美人誰かと思ったよ……」 「はい……?」 サッと私から目を逸らし心なしか頬を赤く染めてる課長。 う、嘘でしょ……まさか…… 「浅田くん…!妻とは別れる!だからどうか私と結婚してくれ…!」 ああ、もう……願いが叶うなら、誰か時間を巻き戻してください。
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