惚れ飴

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変なモノを買ってしまった。 怪しい路地裏で怪しい商人から買ってしまった怪しい飴。 私、こういうとこあるんだよなぁ……。 勧められたら断れない。 まあちょっとヤケになってたところもあるし、値段もそんなしないしいっかぁ……って。 ってこんなの続けたらすぐ破産しちゃう。 買わされた飴というのは、 『誰もが私に惚れる飴』 どうやらその飴を食べただけで私を視界に入れた全人類が漏れなく私の虜になってしまうらしい。 うん、私だってわかってるよ?こんなの出鱈目に決まってる。 別にそんなことが現実に起こるとは思ってないし……。 まあ、勿体ないし食べるけど。 私はオレンジ色に輝くそれをパクリと口に含み深い眠りに身を投げた―――。
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