3人が本棚に入れています
本棚に追加
昼過ぎに墓地の入り口にやって来た一行は、まず墓守であるラマクから詳しい話を聞くことにした。
ラマクは入り口に建てられた簡素な小屋で生活しており、セオたちが依頼を受けると聞いて大変喜んだ。
「では、詳しい話を聞かせてもらえますか?」
「も、もちろんです!」
ラマクは今まで自分が体験した出来事を、一つ一つ思い出しながら話し始めた。
ラーマジールの亡霊が出るようになったのは、今月に入ってすぐのことだったという。
いつものように墓地の見回りをしていた時、一番奥にあるラーマジールの墓の方から声が聞こえた。
不審に思って近付いてみると、墓の中から黒いマントを羽織った魔女が出てきたのだ。
腰を抜かすほど驚いたラマクは慌てて小屋に戻ったのだが、翌朝、再び墓に訪れると少しだけ墓石がずれていたという。
「そういう事が何日も続いて、恐ろしくなって酒場に依頼を出したんです。でも、その日に限って現れなくて……。その後も3回ほど依頼をしたんですが、何も起きなかったんです。その内に『嘘つき』呼ばわりされて、ワシはいったいどうしたらいいかと……」
ラマクはそう言って項垂れた。
しかし、セオはそんなラマクに笑みを浮かべながら、そっと肩に手を置いた。
「大丈夫ですよ。私達に任せてください」
「あ、ありがとうございます!」
ラマクは涙を浮かべながら何度も頭を下げた。
最初のコメントを投稿しよう!