“カミサマ”たちの学(まな)び

1/1
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ

“カミサマ”たちの学(まな)び

 ユタキ先生(せんせい)は、これから()うことはあくまで(わたし)個人的(こじんてき)(おも)っているだけのことだから、(しん)じる必要(ひつよう)はないよ、とことわった(うえ)で、こう(はなし)(つづ)けた。  “カミサマ”は、加美星村(かみほしむら)においても、加美月村(かみつきむら)においても、(かみ)化身(けしん)(しょう)されるわりには、その(じつ)(うし)(うま)のような家畜(かちく)として(あつか)われてしまっているように()える。(おお)くの両村民(りょうそんみん)たちは、“カミサマ”にどれだけの知能(ちのう)があるか、()らないだろうし、(なか)にはさほど知能(ちのう)()っていない下等生物(かとうせいぶつ)のようにさえ(おも)っているものもいる。けれども、(わたし)()りうるかぎりでも、“カミサマ”は人間(にんげん)同等(どうとう)かそれ以上(いじょう)知的生命体(ちてきせいめいたい)だという証拠(しょうこ)がいくつも()られるんだ。“カミサマ”は確実(かくじつ)に、都市部(としぶ)のハロウィンパーティーの様子(ようす)観察(かんさつ)して、人間(にんげん)をまねて(たの)しんでいるんだ。そしてハロウィンの仮装(かそう)をすれば、よりお菓子(かし)(あつ)めをできるんじゃないかと(かんが)えているふしもある。  ぼくは、そのユタキ先生(せんせい)言葉(ことば)にもちろん衝撃(しょうげき)()けたけど、(こころ)(なか)では、ふしぎとやっぱりそうか、と(おも)部分(ぶぶん)(たし)かにあった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!