昼ドキッ!?何食べてるの☆可児原(カニバル)さん!

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昼ドキッ!?何食べてるの☆可児原(カニバル)さん!  ランチタイム(お昼時)は誰にでも、楽しみなものだ。社会人にしろ、学生にしろ、 午後からの仕事に授業を頑張るためのひと時… 小学生みたいなナリで一部男子生徒に定評あるけど、一応、高校生の“足田我みなみ (あしたがみなみ)”にとっても例外ではない。しかし、隣の席で幸せそうに箸を進める 同級生、可児原 香子(かにばる きょうこ)の食べている弁当の中身が気になる、非常に! 気になっているのだ!! (何だろう?ご飯の上にレタスを敷いて、その上に、お肉の甘ダレ焼き?みたいなのを いくつか並べてる感じかな?赤いタレは、中華ソースみたいな感じ?) 自然に覗き込んでしまう自分に香子が少し困り&はにかみ笑顔で答える。 「どうしましたぁ~?みなみさん?」 「あ、ゴメン、きょうちゃん!ただ、いつも、お、美味しそうだね!お弁当!」 「ああ~っ、これですか?うふふ~」 みなみの声に笑顔を返す香子は自身の弁当箱に箸を入れ、一切れの肉を掴むと、こちらの 口先に持ってくる。 「はい、あ~ん」 「ええっ?ちょっ、恥ずかしいよ」 「あ~~ん♪」 柔らかい香子の笑みと鼻腔をくすぐる香ばしい匂いに、クラスメイト達のクスクス顔より、子供のようにパクついてしまう自分がいた。 「うぅんっ…美味しい!」 「でしょ~?うふふ」 「はい、弾力もあるし、味も良い。タレがいいのかな?ちなみ、これ何のお肉?牛肉、豚肉?鳥でもないよね?」 「うふふ~」 「えっ?うふふ~?ううーん??うふふ~って何?」 と同時に後ろ隣3つ目の席の福田 剛(ふくた つよし)がしばらく休みをとっている事を 自覚し、 「いや、あり得ないよ。そんな事ないよ。私、怖い話の読みすぎだよ」 と心の中で呟きつつ、同時に意識を失った…  「みなみ?オキテル?」 「…返事がないですね。じゃぁ、いいですよね。フフフフフ」 そう言いながら、自身の胸元をまさぐる妙に艶めかしい手つき複数で色々、正気付いた。 「うひゃあぁぁ、“大井っち”に“ゴメさん?”何やってるの?」 覗き込むって言うか“キス出来るんじゃねぇの?”って感じで、覆いかぶさるぐらいに 顔を迫らせた2人の級友に驚き、とりあえず、みなみは二人の手を静かに引かせた。 1人は不満そうに巨大なバストと長髪をあらん限りに揺らした、息も色々荒い (本当に起きて良かった) 褐色ハーフのクラスメイト“長守・ゴメス・ゆみか(ながもり・ゴメス・ゆみか)” もう一人は、いつもニコニコ、口調も、物腰も優しいけど、時々ゴメスみたいになる(二人の前では絶対に言えない)彼女は“大井(おおい)”下の名前はいつも忘れてしまう(この事実も勿論言えない) みなみにとって、良き友だが、時々、友達以上の関係に踏み切ろうとしてくるので、注意が必要である。今だって、校医がいる筈の保健室は自分達3人以外に誰もいないし、先程の 二人の距離間から色々不安は募る一方だ。 でも、今はそんな事より… 「ふ、二人共さ…変な話だけど、きょうちゃん、あっ、いや可児原さんのお弁当って、 見た事とか、食べた事ある?」 「エッ?カニバル、いつも学食デスよ?」 「えっ…?そうだっけ?」 「ゴメさんの言う通りですよ、あっ、でも時々違うかな。お弁当の日もありますね」 「えっ…」 1つの確信に辿り着きそうな自身の思考は、急に首に回された力強しかつ、程よい弾力を持ったゴメスの腕によって、遮られる。 「ちょっ、ゴメさん…?」 「ソンナコトヨリ~?気にナ~ルのは~、えっ、てか何、餌付けされてんの?カニバルに?」 「えっ?何でいきなり標準語?ちょ、苦しいよ、ゴメさん?」 「はぁ~い、ゴメさん、そのまま抑えてて下さいね~?うん、わかってます!まぁ、詳しくは聞きましょう!そのカ・ラ・ダにですね☆」 「オーケ~イ☆」 「えっ、ちょっ、わひゃひゃひゃぁあ」 不気味な笑顔の二人は、そのまま問答無用で、みなみにしなだれかかっていった…  「やっぱり、間違いないよ!学級日誌とクラスメイト達のスマホ、学校掲示板でわかった。ここ2週間の間に3人、学校内で休む生徒がいると、その次の日にきょうちゃんがお弁当を持ってきてる…これってつまり…」 乱れた髪と着衣はそのままで、放課後の教室でみなみは一つの事実に辿り着いていた。 あの後、自己の欲求を満たそうとする二人からどうにか逃げた彼女は教室に戻り、独自の 調査を開始していた。そして辿り着いたのは… 「私が皆を食材にしている~?それは誤解だよ~」 「ひいっ、あっ、きょ、きょうちゃん。アハハ、ま、まだ、学校に残ってたの?」 眠たげ&ふわふわ声も状況によっては恐怖だ。ゆっくり、こちらに歩を進めてくる可児原の姿が非常に怖い。 「考えてみて~、みなみさぁ~ん、休んだ生徒達はその後、無事に登校してるよ~ 福田君も、後、2、3日はかかるけど、ちゃんと学校来ると思うし~、まぁ、少し痩せているけどね~」 「ええっ?それって、ど、どーゆう?」 「“ヒカリゴケ”ってお話し知ってる~?みなみさぁん?それとも“亀のスープ”、 う~ん“身代わり御供(ごくう)”は難しいかな~」 「ヒ、ヒカリ、ああっ?光る苔の事?んん?ゴメン、どれも知らないな~」 「うん、うん、普通はそうだよね~?どれも“人”が“人”を食べちゃうお話し。色んな理由でね。遭難しての食料不足。食料が無い閉鎖地域での食材代用としての生贄…どれも、極限状況の際の仕方なしの選択…でもね、人の中にはそれら全てを省いて嗜好のみで食す人もいる。 あ、食人族は該当しないよ。どっちかって言うと、70年代アメリカの食人グループの ようにね。」 いつの間にかの結構な至近距離まで迫った可児原に“えっ、何で今、その話をするの?”と みなみがツッコむ前に、強力な一撃が彼女の首に突っ込まれた…  次に気づいた時、自身の体は冷たいテーブル?とゆうより、バーベキュー用の鉄板風の 台に四肢を大きく開いた状態で寝かされていた。周りは窓の無い地下室風のたたずまいに加えて、両手足は固定され、オマケに… 「全裸ぁああー、いや、この表現は女の子的にどうかな?何故に生まれたまんまの姿ー、 そして、ひゃぁああー」 太もも辺りに感じたザラッとした感触は、可児原が自身の体を舐め回しているからだ。 こちらの視線に気づいてか、彼女の片手は揉みしだくように自身の体に向けられた。 加えて言えば、片方の手には大振りの肉切包丁が握られている。 「じょ、冗談だよね。大丈夫!愛情表現が過剰な二人のおかげで、こーゆう状況に凄く 慣れてるから。解放してくれれば、何も見なかった事に…」 「勿論~、他の子達も少しの肉汁を搾り取っただけで、すぐに解放したわ~、でも、 どーかな~?みなみさん、あんまり脂肪ないしな~、それにぃ~…」 「そ、それにー(全身に走る寒気は何も気温が寒いからではない)??」 「たまにはちゃんとした肉を食べるのも、悪くはなし~で~す。」 「ひぃいー、待って。さっきの話、ほら、光るコケが何とかって奴!」 時間稼ぎに叫んだ台詞に可児原が楽しそうに目を細め、室内の証明を消す。 すると、淡い光がポウッと、瞬き、彼女の首元に輪っかを鮮やかに彩らせる。 「お話しであります~、人肉を喰らった者は首に緑の輪っかが光るってね。それはまるで ヒカリゴケのように…わかって頂けました?」 「あまり、わかりたくはなかったけど、ある意味良かったかも。時間稼げたし、そうだよね?二人共ー!」 歓声のように上げた自身の声に反応するように、可児原の背後から現れたゴメスと大井が 彼女を拘束する。もがく彼女はゴメスの剛腕により、やがて目を閉じ、動かなくなる(死んではいないと思う…多分) 「ゴメちゃん、大井っち!助かったよ!でも、何でここに?」 「みなみさんの服につけた超小型の発信…いえ、愛ゆえに追跡装置を辿ってここまで~」 「ソー、ソー、その通り~」 「ええっ!?それは今度、制服及び、私服を一新しなきゃだけど、とにかく助かったよ。 早く、コレ外して。もしくは…」 そこまで言って、みなみは気づく。自身を窮地から救った救世者の二人が危険な感情を その4つの目に宿している事を… 「ゴメさん、ちょっと、これどう思います?目の前には愛くるしい級友が生まれたまんまーの姿で私達に救いを求めていますよ。これは、あれですかね?彼女を救済する上でも、私達も全力で行く、いえ、逝く必要がありますよね?」 「ソー、ソー、その通り~♪、いや据え膳食わねばじゃね?」 「大井っち、解釈が極大すぎ!ゴメさんは言葉が標準語になってる!ちょ、何で笑ってるの?やだ、やだああああ」 拘束台の上で、動く部分を賢明に動かし、もがくみなみに笑顔で近づいてくる二人の元級友達…その二人が証明の当たらない、暗がりを一瞬通った時、首筋で何かが淡く光ったのを見た時、本日何回目かの意識の喪失をみなみは味わった…(終)
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