1人が本棚に入れています
本棚に追加
すっかり俺に心を許したドランは、弱きを守る優しい男に成り果てた。
貴族には嫌われるが、町の多くの人々からは愛される。これがバーレンの企みだったのだろう。
バーレン自身はあんなに弟を愛してるのに、ドランにキツく当たる。
ドランは兄に対しての不平不満をよく言っていたが、それでも兄が好きらしい。
バカバカしい関係だとは思ったが、見ている分にはおもしろかった。
バーレンは俺の望みを全て叶えてくれた。
食べ物と毒への興味は尽きなかった。
生きる為には食べなければならない。しかし、食べるという行為は生き物にとって最も無防備な瞬間の一つだ。
食欲、睡眠欲、性欲。
この三つのうち、一つでも支配できれば、相手の全てを支配するのは簡単。
他人よりも味覚が繊細だった事が、興味を引き立てたのだろう。香辛料や食材の旨味に自分が支配される瞬間も心地良かった。
最初のコメントを投稿しよう!