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「何処から入ってきた!」
「玄関からですよ。リリカと正式に婚姻しようと思い、祝福の言葉を頂きたく参りました」
「お前みたいな、弱くて何の役にも立たない貧困層の人間との婚姻に祝福などできるか!」
「安心してください。僕は、弱くも無ければ、役立たずでもないですし、貧困層でもありませんから」
ニコッと笑えば、鼻で笑われ返される。
「パイでも食べながらチェスをしませんか?僕が勝ったら、娘さんを祝福して僕にください。負けたら彼女とは二度と関わらないようにします」
「ハッ。いいだろう」
彼女の父が、アップルパイ好きで、チェスが強い事も知っている。
父は乗っかってきたが、バーレンの方が強いし、バーレンと五分五分で戦う俺の方がもちろん強い。
メイドが切り分けたアップルパイに手を付けながらチェスを進める。俺が躊躇いなくパイを食べれば、父親もパイを食べ始める。
最初に弱いと見せかけて誘い込み、タイミングを見てえぐり込む。
父親の手が止まった所で、俺は声をかけた。
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