毒物

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後日、俺はそれをあの垂れ目に持っていった。 「試食してくれないか?」 「こんなに早く持ってくるなんて、やる気に溢れているね」 垂れ目は一口で食べ、咀嚼する。 その様子を眺めながら、俺はお菓子の説明をした。 「猛毒系は苦味がある物が多いから、甘みの強い植物を外側の餡に練り込んでみた。この甘みも毒で、舌を麻痺させて苦味を感じさせなくするんだ。甘さ加減はどうかな?」 「ちょうど良いよ!これならいっぱい出回って、被害が広がる!」 垂れ目が飲み込むのを待ってから、俺は営業スマイルをやめた。 「そしたら、またお前の望む足掻きが見られるな。苦しんで、もがいて、それでも生きようとする姿が良いんだろ?」 俺はいくつか持って来ていた新商品を取って咥え、パイ生地までは噛まず、周りの餡だけが口に入る様にする。 そんな俺の行動と雰囲気に垂れ目は首を傾げた。 「一応色々と作戦は練ってたけど、そんな必要なかったなぁ。何の疑いもなく一口で全部食べてくれて、ありがとう」
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