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俺は垂れ目を放置して、バーレンの元に行く。
ナイフを受け止めた腕からは血が溢れ、垂れ目が吐き出した血の汚れも衣服に付いている。
バーレンはすぐに手当てをしてくれた。
綺麗な同じ服も、バーレンの元には用意してある。
「何をしてきたんだ?」
「煩い奴を黙らせてきた。じゃ、家に帰るよ」
帰ると彼女が産気づいていて、俺は慌ててしまい、大変なはずの彼女の方が落ち着いていて、助産師を呼んで、指示されるままにお湯やら布やらを用意して、気づけばその腕に男の子を抱いていた。
思っていたよりも重くて、存在感に圧倒される。
赤ん坊がハムみたいなムチムチの手を伸ばしてくる。
その右手の甲が綺麗なのを見て、息が詰まった。
「ピーター、泣いてるの?」
彼女も手を伸ばしてきて、彼女の横でしゃがんでいた俺の頬に触れる。
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