1人が本棚に入れています
本棚に追加
汚れた見すぼらしい姿は、自分たちその物だったが、強者による弱者への横暴はあれど、自由な時間がまだある彼らに仲間意識など芽生えない。
だが、利用価値はあった。
大通りの八百屋の前で彷徨わせる。
腹を空かせた彼らは物欲しそうに商品を見つめ、見すぼらしい彼らに店主は目を光らせる。
身綺麗にしている俺は、その辺の大人と一緒にくっついて店内に入り、商品をくすねる。
俺が合図を送ると彼らは商品に手を伸ばし、店主に怒鳴られたら何も触らずに逃げる。
後で合流して、彼らには少しだけ分け前を与える。
野菜、肉、パン、チーズ等こんなに美味しい食べ物が溢れているなんて知らなかった。
今や味も食感も悪い虫なんて食べていられない。
最初のコメントを投稿しよう!