毒物

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汚れた見すぼらしい姿は、自分たちその物だったが、強者による弱者への横暴はあれど、自由な時間がまだある彼らに仲間意識など芽生えない。 だが、利用価値はあった。 大通りの八百屋の前で彷徨わせる。 腹を空かせた彼らは物欲しそうに商品を見つめ、見すぼらしい彼らに店主は目を光らせる。 身綺麗にしている俺は、その辺の大人と一緒にくっついて店内に入り、商品をくすねる。 俺が合図を送ると彼らは商品に手を伸ばし、店主に怒鳴られたら何も触らずに逃げる。 後で合流して、彼らには少しだけ分け前を与える。 野菜、肉、パン、チーズ等こんなに美味しい食べ物が溢れているなんて知らなかった。 今や味も食感も悪い虫なんて食べていられない。
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