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今朝のスープは何だか苦いと思った。
「何吐き出してんだ!?勿体ない事するな!!」
思わず吐き出したら父に殴られた。
勿体ないと言うほど具が入っているわけじゃない。
具は支給された傷んだ野菜とその辺の草だし、スプーンですくって乗っかってくればいい方だ。味だってほとんど水の味。
そんな、いつもと何ら変わらない食材のはずなのに、変な苦味を感じたからこそ吐き出したのだ。
「今日はもう、お前の食事は抜きだ」
「兄ちゃんの分、俺が食べていい?」
弟が意気揚々と俺の皿を自身に寄せ、俺は倒れた事で着いた土埃を払って家から出る。
家と言っても木と藁で隣の家族とを隔て、雨風を多少凌げるだけの荒屋で、床は剥き出しの地面に破れた布を敷いただけ。
出ればすぐそこに監視兵がいて、問答無用で一発殴られた。
「お前、今は朝飯の時間だぞ!勝手に家から出るな!」
自分とは違い、清潔で破れた所もない服に、フケも垢も無さそうな身体。
俺は視線を合わせないように顔を下げる。
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