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第1話 シロ
真っ白な世界だった。
見渡す限り、光しかない。どこから来たのか、そしてどこへ行くのかも知れぬ光だ。無機質で平坦な地面はどこまでも続き、かといってその先に何かがあるわけでもなかった。
ナーダはそんな世界で生まれた。いや、実際にここで生まれたのかはわからない。ただナーダの記憶にこの世界しかないだけで。事実、もしかしたら自分は別の場所からきたのかもしれない、とさえナーダは考えていた。それほどまでに、この世界には何もなかったのだ。
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