遅咲きのシンデレラガール

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七月初旬。 差し込む光は、もうすっかり夏のそれだ。日傘の下から太陽を仰ぎ見た(あまね)は大きく息を吐いた。 イエローのフレアスカートがふわりと揺れる。一方で、足取りはひどく重い。 自宅から歩いて二十分。 再び訪れることになった美容院(サロン)『May 中野店』は、もう目の前だ。 ほんと、憂鬱(ゆううつ)だわ……。 男のスニーカーが入った紙袋を一瞥(いちべつ)し、本日何度目かわからないため息をついた。 それに合わせるように、大振りなイヤリングがカチャカチャと音を立てる。それがまた、(あまね)鬱々(うつうつ)たる気持ちにさせたのだった。
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