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部屋を出て、最初に目に飛び込んできたのは、やはり新奇な廊下だった。いったい何時になったら、家の風景に馴れるのだろう? なんとなく呆れる。
廊下を進み、リビングに入り、隣接するダイニングキッチンまで歩いていった。そこでは、由理が朝食を用意して、待っていた。
俺を見た由理が突然謎の声をあげた。
「あちゃー……」
「?」
「似合ってねぇーわ、学ラン」
余計なお世話だ。
「俺に似合う服など無い」
俺は、威張るでもなく、当然のように発言した。
「いや、あるから、無いのは武次のセンス」
由理はそう言いながら、ちょうどチンと鳴ったトースターからトーストを二枚取りだし、二つの皿に乗せる。そうして、フライパンを手にして、既に焼かれていた目玉焼きをトーストの上に乗せていた。
「さ、食べるよぉ~♪」
そう言いながら、席につく由理。束の間の既視感を感じる俺。いったい、何の既視感だろうか? ま、いっか。
特に気にせずに、俺も一緒に席についた。
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