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翌朝……
ジュンは、鼻歌を楽しみながらリビングにやってくると、
「まるで神様にでもなった気分だな……。さー、今日は、どんな事件が待ってるのかな?」
テーブルに置いた革袋の上の、不思議な玉を取ろうとした。
すると、その玉は、まるで氷が溶けるように液体になってしまったのだ。
「え?……何? 溶けたけど……どうゆうこと?」
呆然と、その有様を見詰めていたが、とりあえずカナに電話した。
するとカナは恐縮ぎみに……
『ごめん……。あの時、一緒に学校へ向かいながら、話すつもりだったのよ。そしたらジュンが気をきかせて、私を大学まで移してくれたんで、言うの忘れちゃって……。そうなの……あの玉を所有できるのは、24時間だけなの……。本当にごめん』
「そっか……。なら、仕方ないね……。いや、君が悪いんじゃないから。じゃ、また……」
スマホを切ると、溜め息をつき、溶けてしまった不思議な玉をチラッと見てから、食事の準備を始めた。
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