cup 2

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「今日は、嫌なことは全部忘れて楽しむこと。いいね。」 「分かりました」 「それと、敬語もナシ! 分かった?」 と、家まで車で迎えに来てくれたハルトさんが笑う。 「えぇ……」 今までずっと年上で店長のハルトさんには敬語だったのに、禁止されても困る…… 「そんな顔しな〜い!」 ハルトさんがこちらをちらっと見て、また笑う。 園内に入ると、ハルトさんは真っ先にジェットコースターに乗ろうと手を引いて走り出した。 「あ、え……ちょ……、ハルトさん、あたしジェットコースターはあんまり……」 「大丈夫、大丈夫! ここのはそんな怖くないから。それに大きい声出したら、スカッとするよ!」 「もー! 強引ですね。気分が悪くなったら介抱してくださいよ!」 どーなっても、知らないんだから! ガタン、ガタン、ガタン、ガタンーーーー ーーーードキ、ドキ、ドキ、ドキ…… 「ヤバイ……、コワイ、怖い」 「大丈夫だよ。ほら」 セーフティーバーを強く握りすぎて、真っ白になった指を大きな手が包み込む。 「イーーーヤーーーーーーーーーーーーッ!!」
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