14人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日は、嫌なことは全部忘れて楽しむこと。いいね。」
「分かりました」
「それと、敬語もナシ! 分かった?」
と、家まで車で迎えに来てくれたハルトさんが笑う。
「えぇ……」
今までずっと年上で店長のハルトさんには敬語だったのに、禁止されても困る……
「そんな顔しな〜い!」
ハルトさんがこちらをちらっと見て、また笑う。
園内に入ると、ハルトさんは真っ先にジェットコースターに乗ろうと手を引いて走り出した。
「あ、え……ちょ……、ハルトさん、あたしジェットコースターはあんまり……」
「大丈夫、大丈夫! ここのはそんな怖くないから。それに大きい声出したら、スカッとするよ!」
「もー! 強引ですね。気分が悪くなったら介抱してくださいよ!」
どーなっても、知らないんだから!
ガタン、ガタン、ガタン、ガタンーーーー
ーーーードキ、ドキ、ドキ、ドキ……
「ヤバイ……、コワイ、怖い」
「大丈夫だよ。ほら」
セーフティーバーを強く握りすぎて、真っ白になった指を大きな手が包み込む。
「イーーーヤーーーーーーーーーーーーッ!!」
最初のコメントを投稿しよう!