14人が本棚に入れています
本棚に追加
「カエちゃん、どうしたの? そんなにタピオカ睨んで」
「タピオカって、ずるくないですか?」
「は? ずるいって何?」とハルトさんは笑った。
「タピオカってつるんとして、ふにゃんとして、甘〜いミルクティーの中で、ゆらゆらふわふわしてるだけで、みんなに好かれてるんですよ。ずるいです」
自分で言うのもなんだが、ただの八つ当たりだ。
「カエちゃんはみんなに好かれたいの?」
「んー、そんなことないですけど、もーっ、ハルトさん知ってるでしょ!」
「……」
「えぇ??」
タカシとのことをみんな知ってるくせに、と肩をポンと叩こうとして伸ばした腕を掴まれた。
くるりと壁際に追いやられて、目の前はミルクティー色、びっくりしてハルトさんの顔を上げると、首を傾け覗き込む。
「じゃぁ、俺だけでもいいでしょ?」
「ちょ……えっ……、何言ってるんですか?」
「だから、俺だけがカエちゃんを好きで、甘やかしてもいいでしょ?」
最初のコメントを投稿しよう!