0人が本棚に入れています
本棚に追加
永遠の別れ
久々に史雄に逢った。
彼は、変わらない笑顔で私を迎えてくれた。
どうしようもない話しをスタバで長く話した。
昔に戻れた気がした。
気がつけばそとは夕焼けに染まっていた。
「帰らなきゃ」
「そうだね」
現実は非情なもの。
時を止めることは出来ない。
外に出て
肩を並べて歩くのも
こうしてお喋りをするのも
もう、出来ないと気づいた時
私は立ち止まり
史雄と向き合った。
「お願い、抱きしめて」
無理な事だとはわかっていた。
でも、史雄の温もりを覚えていたかった。
そしたら彼
思いっきり抱きしめてくれた。長く長く...
そして史雄は私に
「ごめんな」と言った。
私が悪いのに。
「私こそゴメンね。わがまま言って、今日はありがとう」
これが最後の会話だった。
笑って史雄は私に背を向けて帰る場所に向かった。
そんな背中を私は何時までも見ていた。
無くしてからしか判らないものが今、私は気がついた。
さよなら...史雄。
最初のコメントを投稿しよう!