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プロローグ
桜が咲き始めた。
うす紅色の蕾が、膨らんでいたのが開きはじめた。
文机から見上げた窓辺から、見えた景色。
あの日を、想い出す。
アナタから、初めて手紙を貰った日を……
あれから、アナタからの手紙が楽しみになっている。
今日も、便箋に書きはじめた。
他愛もない日。
辛かったこと、嬉しかったこと。美味しかったもの、外の移ろいゆく景色。
ワタシは、書いた手紙がアナタに届き返事を待つ時間もいつしか苦にならずになっていった。
時間は、無限ではない。
刻々と、過ぎてゆく。
だからこそ、アナタとの手紙の時間は大事にしたい。
ワタシのひとりよがりな想いでも……
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