一章・時の改変

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公園で待っていると優衣のスマホが鳴る 優衣 「もしもし?」 勇樹 『今駅の駐車場に着いたよ』 優衣 「じゃあ今いくね」 優衣は電話を切ると駐車場に向かう -駅駐車場- 駐車場に止まっている勇樹の愛車を見つけると窓を軽く叩く 勇樹は優衣に気づきドアロックを解除する 車に乗り込む優衣 勇樹 「いきなりごめんね?」 優衣 「んーん、電話くれて嬉しかったよ」 勇樹はニコッと笑顔で答えるがすぐ下を向いたまま喋らない 優衣も大事な話が何か聞きたがったが怖くて切り出せない しばらくして勇樹が下を向いたまま話はじめる 勇樹 「実は今ある重症患者を抱えてる」 優衣 「…うん」 勇樹 「その患者さんかなり重い病気でさ?結構悩んでる」 優衣 「…そっか…」 再び沈黙が流れるが突然勇樹が顔おあげて真顔で話しはじめる。 勇樹 「その患者さんは柚子ちゃんなんだ」 優衣 「…え?」 勇樹の話では柚子は事故の後遺症で肺が正常に機能しておらず、このままでは長く生きられない、もう肺の移植手術しかないとの事だった。 優衣 「でも柚子は普通に保育園に行ってるよ?」 勇樹 「今のところはね?でもこの前の定期検診でわかったんだ」 優衣 「そうなんだ…」 勇樹 「それで移植するために適合する肺を色々あたってみたんだがなかなかみつからなくてね」 優衣 「…」 勇樹 「でも昨日見つけたんだ」 優衣 「え?」 勇樹 「優衣…君の肺だよ」 優衣は色々混乱して声を出すことができなかった 勇樹 「いきなりこんな事言われても混乱するよね」 優衣は息を整える 優衣 「それって私の肺を柚子に移植すれば柚子は助かるって事だよね?」 勇樹 「そうだ…今すぐ結論を出せとは言わない。親御さんと話をしてそれから決めてほしい。なんなら俺も一緒に話をするから」 優衣 「…肺が一個しかなくなったらどうなるの?」 勇樹 「今までみたいに激しい運動はあまりできなくなる。体を動かしたり会話をしてる時、息切れみたいな感じになって苦しいと感じる事があるようになる」 優衣 「…」 勇樹 「優衣には辛い事だと思うが俺は医者として最善を尽くしたい。柚子ちゃんの命を救いたい」 優衣 「私だって柚子には幸せになってほしいと思ってるよ?…でも…」 勇樹 「そうだよね…でも優衣の未来は俺が幸せにするよ。どんな事があっても俺が優衣を守る」 優衣 「…本当に?」 勇樹 「うん。手術がうまくいったら親御さんに俺たちの事言って約束より早いけど結婚しよう」 優衣はかなり不安だったが世間にばれたら確実にヤバイ状況になる上で自分と妹の事を真剣に考えてくれていると感じ徐々に安心していった 優衣 「わかった…私の肺を柚子に移植して?」 勇樹 「ありがとう!!優衣の事も柚子ちゃんの事も俺が幸せにする!!」 優衣と勇樹は抱き合いキスをする 優衣と勇樹は優衣の家に行き移植の事を両親に説明する。 両親はかなり悩んでいたが優衣本人がやると言う事で承諾書にサインをした。 それから1ヶ月後移植手術が行われた。 -病室- 優衣 「…ん」 勇樹 「気づいた?」 優衣 「…勇樹」 勇樹 「手術は成功したよ。柚子ちゃんはもう大丈夫だ」 優衣 「良かった…」 勇樹 「でも優衣はこれから大変だからもう少ししたら俺たちの事をご両親に言おう」 勇樹は優衣の手を握り柔らかい笑顔をみせる 優衣は勇樹の笑顔を見ながら涙を流す 優衣 「嬉しい…私勇樹とずっと一緒にいれるんだね」 勇樹 「ああ…俺たちはずっと一緒だよ」 それから1ヶ月、優衣は病院を退院した
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