distance

口を開こうとする私を、理央が遮る。

「あ、えっと……今度、言おう思って、お前のパンケーキ、トムとジェリー、俺のアトリエと……連れに詳しいヤツがいて……」
「理央、ごめん。何言ってるか分からない」
「サプライズだったんだよ。その事で頭がいっぱいで……」

理央は話を聞かない。それは……

「理央、落ち着いて、ちゃんと説明して。順を追って」
「会社を辞めて……独立しようと思ってる」
「そっか、おめでとう」
理央はずっとそのために働いていたし、いずれはそうするんだろうなと思ってた。

「それで……良い物件が見つかって、そこをアトリエ兼オフィスにして活動しようと思ってる」
「そっか」
そんな事も事後報告でため息が出そうになる。