0人が本棚に入れています
本棚に追加
なんの前触れもなく
雨が降って
傘がないから
濡れながら歩いていたら
たまにはこういうのもいいねって
いたずらっぽく君が笑って
隣に並ぶから
嬉しいような恥ずかしいような
困ったような待っていたような
そんな複雑な気持ちを
仏頂面の下に隠すのに必死だった
あのときなんだ はじめて僕らが出逢ったのは
同じ電車に乗り合わせていたって
同じ教室の中で授業を受けていたって
お互いに
お互いが
風景のひとつでしか無かった筈で
あのときから 僕らの砂時計は逆さにして置かれたんだ
砂が落ちきるまでしか同じ時を刻めないのに
あの雨の日の僕らはそんなこと知る由もなく
最初のコメントを投稿しよう!