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「じゃあ今日の出会いにかんぱーい!!」
グラス同士がコツンと音を立て合うと、皐はウーロン茶を一口口へと含んだ。今日は同じ職場で働いている南に誘われて合コンに来ていた。
「いやーみんな可愛いね」
「そんなことないですよー。皆さんどういった繋がりなんですか?」
「俺達は大学が同じで」
合コンには苦い思い出しかない。あれは二十歳の時だっただろうか。専門学校の友達に誘われて人生初の合コンに参加した。
でも結果は散々で交換した番号からは誰からもメールは届かなかった。それだけじゃない、女子トイレで聞いてしまったのだ。
友達だと思っていた子が話している所を。
“皐いると本当うちら可愛く見えるから呼んで正解だよね”
そう、友達として呼ばれたんじゃない。彼女たちを上げるために呼ばれたのだ。それからどんなに誘われても断り続けてきた。でも今回参加しようと思ったのは、南さんに強く誘われたことと南さんの人柄からだった。
「サラダ良かったら取るよ」
「あ、ありがとうございます」
南さんは明るくて優しくて、誰にでも平等に対応する人だ。それが私には好感だった。
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