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次の日重たい気持ちで目が覚めた。いつものように準備をして朝ご飯を食べると、自転車に乗って約十五分、住宅地の真ん中にある職場へ向かった。
「おはようございます」
「おはようございます」
更衣室と言うよりは休憩所、テーブルが真ん中に一つある小さな部屋で制服へと着替える。ロッカーなんて物はなく、皆床にバッグを置くと脱いだ私服をその上に置く。
「おはようございます。あ、片岡さん、昨日のことなんだけど」
「昨日は途中で抜けてすみませんでした」
「それは全然いいんだけどね?そうじゃなくて……。」
「私はああいう場には向いていないと思いますので、これからは違う人を誘って下さい」
「片岡さん……。」
それだけ言うと、部屋を出た。皐が働くのは住宅地の真ん中にある歯医者だ。皐はそこで歯科衛生士として働いている。
歯医者には歯科衛生士と歯科助手とあるが、歯科衛生士は専門学校に通い直接歯を触ることが出来る。
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