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“行かないで”
時々、付き合っていた彼、長谷川大智と別れた日の夢を見る。
夢の中で私は彼を引き止める言葉を口にしていて、彼もその言葉に応じて物語はハッピーエンド。
そんな日もあれば、現実通り憎まれ口を叩いて、本当に言いたいことを伝えられないままバッドエンドな日もある。
「降りれば私たち別れずに済むよ」
「乗れば俺たち別れずに済むよ」
新幹線のホームで、これが本当に最後なのに、強がって涙を堪えながらそう言う私と切なそうに笑う彼は、いつまでも平行線のままだった。
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