3秒で言えた言葉が今も〈短編〉
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列の一番最後に並ぼうとして肩を掴まれた。 「紗英っ!」 振り向くとそれは孝宏じゃなくて、大智だった。 クラシックの曲が流れ、花火が打ち上がる。 歓声が湧き上がって、夜空を見上げた。 涙が頰を流れる。 これが花火に感動してなのか大智に会えたことに対してなのか自分でもよく分からない。 ただ幾度となく打ち上げられる花火が永遠に終わらなければ良いと思った。 「な…んでいるの?」
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