プロローグ

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プロローグ

 見慣れない桜並木を通り抜けると、ひときわ目立つ鳥居が現れる。  その奥には古寂(ふるさ)びた神社が(そび)え立っていて、目を向けた瞬間、そこだけ時空が歪んで見えた。  ーー助けて。千……助けて。  空間が紅く包まれて、花のように散っていく。その光景を、呼吸をするのも忘れるほど、ただひたすらに眺めていた。
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