哀しい現実

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将吾さまが突然、婚約された。 知らない間にお見合いされていたのだ。 お相手は、日本を代表するメガバンクの創業家のご令嬢だった。 皇室の方々を輩出した名門女子大出身。 すらりとした長身で、まるでハーフかクォーターかのような華やかな風貌。 あたしたちお屋敷で働く者を見下す「鼻持ちならないお嬢様」に違いないと思った。 愛のない、典型的な政略結婚だと思った。 だったら、将吾さまにずっと想いを寄せてきたあたしの方が……と思った。
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