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――――ああ。
――――あああ。
今年の夏には連れて行ってやるって言ってたのに、結局行けずじまいだった。
私は立ち止まらない。
自然豊かな川沿いの道を、一人歩き続けていた。
その川を目に映しながら思い返す。
どうして私を連れて行ってくれなかったんだろう?
思い出したいのに、なんだか具体的な出来事は頭の中がぼやけてしまって、よくわからない。
大きな橋にさしかかったので、私の足はそこへと向かう。
このまま歩けば橋の真ん中からは中州がよく見えるだろう。
さっき道沿いからは大きな鳥がいるのが見えた。
木が邪魔をして確認はできなかったが、きっとあそこからならわかるはず。
白鷺かもしれない。
でも白鳥の可能性だってある。
私は歩き続ける。
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