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ふと橋の真ん中に男の人が立っているのが見えた。
背が高くて、少しウェーブがかった黒髪。
優しく見える下がりがちな目尻が、私を見つけるとより一層緩む。
まさか――――どうして湊人がここにいるの!?
自分の気持ちは置き去りに、勝手に足だけが速くなる。
たまらず両手も彼に伸ばす。
ああ……
あああ!
やめて!
行って!
早く逃げて!
どうしてここにいるの!?!?
私は自分を止められない。
会いたかった。
一番あなたに会いたかったよ。
だけどそれはダメなんだって。
あなたにだけは会ってはいけなかった。
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