第一章 西からの景色

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 いつもより景色が赤い。西日が空を燃やしているのだ。赤い光が、世界を染めている。  赤は、別れの色。太陽との別れの時間。  私の体から、彼の残した赤い痕が消えてしまったら、私は新しい道を一人で歩いていかなければいけない。  一人でいい、もう、男なんてこりごりだ――
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