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空港に向かう途中、車窓から見える景色をぼんやりと眺めるしかない私――あぁ、飛行機に乗っていったいどこに向かうのだろう。
赤信号で止まった時に、ふと、茶色い髪の毛の背の高い男の人の姿が目に留まる。
あれ、私、あの人を知っているような……
あてにならない記憶を探っても、答えは見つからない……
あ――!
私は車の窓を開けた。
「はるか!」
叫ぶとともに、信号は青になって車が発信する。私の声は彼に届かなかったかもしれない。でも、温かい気持ちが心に広がっていく。
悠、私の大切な人だ。大丈夫、ちゃんと覚えている。
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