橋の上

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橋の上

 水無川の橋までは、一駅電車に乗って15分くらい歩く。  彼のアルバイト先のパティスリーに近いと言えば近いけど…  パティスリーのある高級住宅街からだと、歩いて5分ちょっと?  あたしは高鳴る胸の鼓動を持て余しつつ、駅から橋までの道を急ぐ。    あ、もしかしてアルバイトから社員に昇格したのかな??  何かの条件をクリアすればとかなんとか、前に言ってたような。  それを伝えたいのかしら。  そしてその上での、プロポーズ…  きゃあ、なんてロマンチックなのっ!  あたしったらホント、幸せ者っっ  息を切らして橋の上に着いた頃には、辺りは薄暮だった。  静かに流れる水無川のせせらぎと、わずかに頬をなぶる夕風が心地よい。  彼はまだ来ていないようだ。  あたしはバッグからミラーを取り出し、メイクや髪をチェックする。  一世一代の告白を受ける瞬間、あたしも綺麗でいなくっちゃね!
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