31人が本棚に入れています
本棚に追加
6話 初デート(3)
やがて、彼方は莉緒菜に
「悪いとわかっているのなら、何故、あのような事を言ったんだ? せっかくお前のために初デートしてやろうと思っていたのに?」
その問いかけはとても重たくて莉緒菜は涙を流しながら
「彼方先生は、私の事どうでもいいの? だから、契約を交わしているとはいえあんな非道なことが出来るの?」
その問いかけは本当に怖かって出た物で彼方は1人ため息を着いた。
心が通っていなければ同意の上でも犯罪と何ら変わりがないだろう。
彼方はそう思い慎重に言葉を選ぶ。
ここで間違えて、離れられては困るし、何より彼方の要望に嫌がりながらもついて行こうとする、謙虚な莉緒菜に少しずつ惹かれ始めていた。
だから、ここで手放すなんて彼方には最初から選択肢はない。
もし、少しでも脅えているのなら、その脅えを取り除いた上でことに望んだ方がいいに決まっている。
しかし、彼方は、2種類の選択肢があるなと思った。
確かに、一般的には、確実に前者しかないだろう?
しかし、目の前の莉緒菜は彼方が引き出したM性がある。
そう言う女性には、必ずしも前者が適応では無いのだ。
彼方は心の中で
『どうするかな? 莉緒菜の表情を見る限り、ただ、怯えているようにも見えるが……。』
そう思いながら思案する。
やがて、彼方は問いかける。
「莉緒菜、お前さ……。」
凄い間が空いた後、莉緒菜の頬を撫でながら問いかける。
「俺を怒らせたくてわざと言ってるだろう?」
その問いかけは……。
吉と出るか?
凶と出るか?
彼方が内心ヒヤヒヤしながら見守ればキョトンとした顔を莉緒菜はしていたがやがて顔色をカァーと赤めると
「ないです」
そう言いながら視線をそらした。
それを見ていた彼方は内心ガッツポーズを取ると
「わざとかよ?」
その言葉に莉緒菜はブンブン首を振ると
「無い無い、わ、わざととか、絶対無い」
慌てて言うあたり相当図星だったのだろう。
彼方は安堵の意味でため息をつくと
「こら、馬鹿、莉緒菜、雰囲気考えろよ、後で相手してやると言っただろう? お前は待ても出来ないのか?」
とっ、呆れたようにわざと問いかければ莉緒菜はプクーと頬を膨らませて
「先生、私、犬じゃ無い」
その言葉に彼方がクスクスと笑い出す。
正直、疲れた。
彼方はそう思うと、ドサッと莉緒菜を乱暴に
ベッドに叩きつけて微笑み舌舐めずりをわざとすると
「可愛がって欲しくてわざとしていた癖に、よく言うよ、これをダメ犬と言わずなんと言う?」
その問いかけに莉緒菜は顔を赤めたまま、彼方に
「ダメ犬は酷いです、せめて優秀な性奴隷と言って下さい、彼方先生」
その反論に彼方は瞬きをする。
「ふーん、優秀な性奴隷ねぇ~、少なくとも優秀な性奴隷なら、ご主人様の好意は感じ取って汲み取るもんだろうが? 何処が優秀だよ、お前なんか、ダメ犬で十分だ」
その言葉に莉緒菜はブンブン首を振ると
「ダメ犬はいやあ」
泣き叫ぶ所を見れば、本当に嫌なのだろう?
彼方は苦笑すると莉緒菜の上から
退いた。
慌てる莉緒菜に微笑むと
「ダメ犬で無いのだろう? 証明しろよ、莉緒菜」
その言葉に莉緒菜は瞳を輝かせる。
「上手くできたら、本当に優秀だと認めてくれる?」
彼方は頷くと莉緒菜の頭を撫でながら
「あぁ、良いぜ、出来たらな」
その言葉に勇気を貰った莉緒菜は頷くと服を脱ぎ始めた。
最初のコメントを投稿しよう!