7話 初デート(4)

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7話 初デート(4)

服を脱げば下着姿になる。 莉緒菜が少し恥じらうと彼方は 「辞めるか? 俺は別に、望んでないぞ、お前が、どうしても証明したいと言って脱いだのだろう?」 その問いかけに莉緒菜はずるいと思った。 正直、莉緒菜をやる気にさせるテクを彼方は持ち合わせていて 本気で手のひらでコロコロされれば莉緒菜には適わない。 そう思えば莉緒菜は彼方を改めて見つめた。 カッコイイ、と、よく学生時代は思っていたなぁ~と思い直た。 だからこそ、それと対になる黒い非道な噂が、彼方のかっこよさとその冷たい2面性のようなものを強調していたんだな。 そう莉緒菜は思ってから彼方に 「あの噂、本当だったんですね? 彼方先生は酷い人だって噂」 その問いかけに彼方は苦笑すると 「あぁ、あれね? あれは、以前付き合っていた生徒を酷い遊び方で振ってな」 そう言いながら思い出したのか少し困った顔を彼方がした。 「当時は、学校に居れなくなりかけて、結構大変だった、その時に、丁度流れた噂だな」 そう言いながらため息をつくと莉緒菜は 「彼女さん、お金で黙らせたの?」 そう、彼方は御曹司だ、莉緒菜は絶え間ない噂があの後数日で落ち着いた事が不思議だった。 ただ、彼方が御曹司だったからと今では納得している。 彼方は頷くと 「あぁ、そうだよ、お察しの通り」 その言葉から感情は読み取れない。 莉緒菜は震えながら口にする。 「私は?」 と……。 彼方が首を傾げると 「何、言ってんの? そんな馬鹿なこと言ってないで奉仕しろよ」 その言葉に……乱暴なその口調に……。 やはりかと彼方の態度で莉緒菜は 勝手に制定する。 「やっぱり、飽きたら捨てるんですよね? 契約を交わしているのは壊れるまでだもの」 涙を流し問いかける莉緒菜に彼方はため息をついた。 新たな誤解が生まれたなと彼方は思うと 「莉・緒・菜、お前さ、1から10まで全てを提示しないと安心出来ないのか? 違うよな? 俺が何時見棄てると言ったんだ? いい加減にしろ、今日は可笑しいぞ?」 その問いかけに莉緒菜は涙を流して抗議するつもりで彼方の頬を思いっきり叩いた。 痛みに彼方が驚いた顔をすると 「莉緒菜……」 彼方の何故か悲しそうな顔に莉緒菜はやけにイライラして子供のように彼方の服を乱暴に両手で掴むとゆさゆさと揺すった。 「お前……」 彼方の声に莉緒菜はいやいやと首を振る。 「置いていかないで、どんな罰でも受けるから、お願い!」 その泣き声はどれだけ虚しい事か? 彼方はため息をつくと 「うぜーな、少し落ち着けよ」 そう言いながら彼方が莉緒菜の顔を覗き込むと 「とりあえず、泣くな! めそめそしすぎなんだよ」 その言葉にぴったっと、莉緒菜が泣き止めば 「彼方、せ、先生、怒って」 その脅えた声色に彼方は頭を描くと 「いい加減にしろっと何度も言わせんな、莉緒菜、お仕置きはとりあえず後だな」 そう言いながら彼方が莉緒菜を初めて優しく抱きしめた。 ふわりと抱きしめられて莉緒菜が瞬きすれば 「馬鹿、莉緒菜、ここまでしないとお前はわからないようだから言うけどさ、お前は俺のなんだよ? 言ってみろ」 莉緒菜は彼方に抱きしめられたまま、呟くように 「契約があるから、性奴隷ですよね?」 その問いかけに彼方はさすがに苦笑した。
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