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祖父の後ろをついてまわったあの道も、今は塗装され思い出とともに過去のものとなった。 ただ何となく聞いていた水の流れ。あの小川だけは今も変わらず、過去の私と今の私を繋ぐ。私は確かにこの場所で夏を過ごしたのだと思う。 私はただ思うままに歩を進め、思い出の欠片を集めていく。それを紙に刻んで、一冊の本にしたら、私の本棚の小さな隙間にしまっておこう。 その本棚はいつかきっと、思い出を愛するための大木になるはずだから。
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