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自転車をこいで、息苦しさを感じた。マスクを外し肺いっぱいに空気を吸った。 冬のニオイをかすかに感じた。冬が近い。 ある冬の日を思い出す。 ブラインドカーテン越しに雪がはらはらと降っている。 まるでテレビを見ているようだった。砂嵐を見ているような気分だ。部屋の中にいる私は息苦しさを感じずには居られなかった。 ふと手元に視線をやり、やらなくてはならないことを思い出す。テレビの中にいるのは私の方なのかもしれなかった。
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