染髪差別

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染髪差別

 ゆるふわの金髪がキラキラ光る。ビューラーで睫毛をカールして、目尻はパープルのカラーマスカラ。コンタクトはお気に入りのピンクブラウンで、今日の気分は新色のリップ。最後にバニラの香水をつけて…ほら。  今日のアタシもやっぱりキレイ。  …それなのに。 「みて、あれ」 「あは、固まっちゃってるー」  今日もアタシの下駄箱に上靴は入っていない。遠くからそれを笑ういつもの人達。 「やばくない?」 「うわ、女子えげつねえ…」  ボロボロの上靴を見つけ出して教室にたどり着くと、お決まりに荒らされたアタシの机。  あーあ、かわいくない、美しくない!  こんなボロボロのダッサイ上靴履いてらんないわよ、スリッパ買ってきてよかった。机だって、どうせならかわいくデザインしてくれればいいのに。ペンキに油性ペン…どこから持ってきたんだか、わざわざご苦労ね。テーブルクロスでも敷いて、リボンで留めて…うん、いいわね。  だいたい、アタシを狙ってるのだってどうせやっかみでしょ?あの子達みんな、美しくないのよ。メイクもしてない、保湿すらしてないから唇カサカサだし、ダッサイメガネに伸ばしっぱなしの髪、キッチリ校則通りの制服。特にいつも先頭だって嫌がらせをしてくる黒田さんなんて、アタシとまともに目も合わせられないくせに。そして何よりつまんなくて陰湿なアタシへの態度がダサい。  アタシへの嫌がらせに直接参加しないで嗤ってる周りも美しくないし、何より最低なのは…
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